大学卒フリーター
「大学卒業してフリーターにはなりたくないな〜。」
通勤電車で隣に座った男の子が2人話していました。
今日は仕事の都合で普段より1時間遅い電車でしたから、割合車内も空いていました。
男の子2人も座ってヒソヒソと話していたのですが、何しろフリーターという言葉に敏感になっていた私は思わず耳を傾けました。
「大卒フリーター?」
「そうさ大卒フリーター。
サッカー部のB先輩が就職先が思うように無くて、とりあえずフリーターしてるらしいよ。」
「ほんとに?名門の大学に行ってたよな。」
「今は厳しいんだよ。俺たちももうすぐ就職活動だろう、大丈夫かな?」
「C先輩は就職先をすぐやめて大卒フリーターだってよ。」
「へえ〜っ、何でまた?」
「いろいろあるんじゃないの、俺の姉貴同級生だからいろんな情報が入ってくるんだよ。」
「そうか〜。」
「もう1人D先輩っていただろう、大学には行かなかったけど。」
「ああ、家庭の事情で進学しなかったんだろう?」
「そう、高卒だけど中堅のいい企業に就職したんだ。
その研究部門に入ってメキメキ仕事をしているそうだよ。」
「人生どうなるかわかんないよな〜。でも大卒フリーターは俺はいやだな。」
「だよなっ。俺なんかハートが弱いからフリーターって言葉聞いただけで気が滅入るよ。」
私は目を閉じて黙って2人の話を聞いていました。
何が正しいのかはわかりませんが、私には真っ当な意見に思えたのです。